腰痛・左肩の痛み(皮内鍼による治療例)
70代女性。「今日は、じゃがいもを掘ったので腰が痛み、全身筋肉痛だ。」「それと、左の頸から肩にかけて痛む」と言われます。
腰の動作診をすると、前屈で腰の中央、右側屈も左側屈でも両腰が痛みます。頸部の動作診をすると、左に振り向いたときに、左の肩が痛み、右に頭を倒したときに左の頸から肩にかけてが突っ張ります。左肩をすぼめると左肩全体が重いと言われます。
筋肉の触診をすると、左頸部は過敏痛で、軽く皮膚をこするだけでピリピリ痛みがあります。仰向けの状態で、肩甲骨の間、背部、臀部、下肢と筋肉を切るように触ると痛みを訴えます。
少し無理な作業によって疲労しただけなので、少し神経が興奮して筋肉にツッパリがでている程度とみました。
左頸の緊張した筋肉や、上腹部の緊張を指標として、その部分が緩むツボを探すと右の肝経の蠡溝(れいこう)、行間(こうかん)というツボが反応しましたので、そのツボに皮内針を0.5ミリほど刺して貼りつけました。
これで、先程やった動作診で、変化があったかどうかを確認したところ、腰の前屈時の痛みはなくなり、側屈痛は軽減したがまだ残る。頸は、左回旋時も、右側屈のときの左肩の痛みは無くなったと言います。
もう一度、上腹部の残っている緊張を指標にツボを探します。そうすると、右の胆経(たんけい)の地五会(じごえ)というツボで反応があります。ここに先程と同様に皮内針を貼りつけました。これで、残った腰の痛みも取れました。
しかし、まだ左肩をすぼめたときの痛みが残っていたので、そこを指標にツボを探すと、左の胃経(いけい)の陥谷(かんこく)というツボが反応しましたので、皮内針を貼りつけると、左肩の痛みも無くなりました。
あとは、操体法を2種類ほどやって、治療終了。
このように、痛い場所には、鍼はいっさいやっていませんが、皮内針という小さい鍼を、膝から下にあるツボに0.5 ミリほど刺すだけで症状が消失した例です。
この方は、毎朝運動をしっかりなさるのでツボ治療や操体法にとてもよく反応してくれました。

